ニュースレター17号から
1.概要 初めての1勝はうれしいものです。その1勝を目指すために、いろいろと書籍を読んだり、棋譜の分析をしたりします。でも、最初の目標を1勝するではなく、引き分けとできることも十分棋力アップにつながります。
17号から、0.5勝を目指すためのちょっとしたヒントをいくつか掲載する予定です。
今回、第1弾の時間管理からはじめます。最初に時間管理をの必要性を説明します。、次に、時間管理を具体的にどうするか、最後に参考例として私の場合どうしているかを説明します。
2.時間管理の必要性
チェスでは競技の場合、対局の制限時間がルールとしてあります。制限時間内に指し手が指されない場合、通常時間切れとなります。
通信チェスでは、制限時間の単位は時間ではなく、日数となります。少なくても0.5勝を目指す場合、日数切れ負けは特に回避する要素です。
さて、どんな場合、日数切れが発生するでしょうか?
よくあるのが、週末にまとめてという場合が発生しがちです。週1日しか検討にとれないとすると、日曜に発送、火曜に相手に到着、金曜に自分に到着では、日曜送付なら+2日ですが、土日が私事でいっぱいになると翌週で+9日です。このペースでは、30日は、3手ですぐ過ぎてしまいます。
次に電子メールですぐ返せると思う場合です。電子メールは、当日受信、当日発信が可能ですが、平日に時間がさけない、休日にもなかなか時間が割けないとするとあっと間に1週間が過ぎます。残り10日で10手という場合になる場合もあり、ちょっとの用事の割り込みで、あっと間に日数が過ぎていきます。
3.時間管理の具体的な仕方
1手に最低1日は必要とすると、時間管理の肝は、残りの余裕日数が少なくても各10手ごとまでの日間があるかということです。いくつかの気にしておくことを3点まとめます。
1)残り日数が、10手あるか?
2)1手3日間として2日間で指せているか?
3)序盤、中盤、終盤のどこに余裕日数の蓄積を考えているか?
まず、1)残り日数が、10手あるか?では、細かく言うと
手を指したときに、手の番号をm、手の最後の末尾の数字をnとした場合、
m/30*10日の持ち日数の残りは、10-nかを確認しておくこととなります。
例として、22手目指しているとすると、30手までには、60日です。22手目だと、残り、8手指して、30日追加ですので、10-2=8が、残りであるかを確認します。
わかりやすくすると10日余裕を持っておくでもよいです。
2)1手3日間として2日間で指せているか?では、10手30日なので、平均とすると1手3日となります。余裕を1手単位で取るという考え方だと、2日で指そうという考え方になります。この場合は、どんどん余裕日数が増えていきますので、1)の考えと併用すると、要所では、さらに10日を残して、使い切るという手もとれます。
3)序盤、中盤、終盤のどこに余裕日数の蓄積を考えているか?では、局面で、1)と2)をどう使うのかということです。
序盤は、余裕日数の蓄積をし、中盤以降で、利用していくという考え方もあります。 対局開始の通知日と対局基準日の差の期間を利用して余裕日数を作るという考え方もあります。
4.(参考例)私の場合
平均同時20-30局以上対局しています。平日は、一日あたり60分間がチェスに割けて良いところです。ここに、いろいろなJCCA関係を詰め込みます。休日は、プレイヤーとしてではないJCCAの仕事優先です。そのため、基本方針の時間割りとして、1日1局の考慮時間5分。考慮する手の深さは、3手前後。疑問があれば、翌日に再考慮としています。平均1.5日、遅くても、3日以内には返信するとしています。私の読み筋に相手が指してくる場合、特にWeb戦は、ほとんどノータイムで返す場合もよくあります。
5.まとめ
時間がないは、仕事でもよく嘆くせりふです。通信チェスでも時間がないこともよくあります。まとまった時間を確保しようと思うのではなく、日常の細切れの空白時間に割り込むというやり方が多くの対局を進めることに有効になります。