JCCAのレイティング

チェスの棋力を、科学的(数字的)に評価する方法として、レイティング・システムがあり、中でも、エロー(Arpad E. ELO、元ウィスコンシン大学教授)システムが有名です。JCCAでも、これに準拠する、独自のシステムを採用しております。従来の経験を踏まえ、改良を重ねて参りました。現在のレイティング規則は次のようなものです。
レイティング規則
(1) 初初めてこのレイティング制度に参加される方には、次の仮レイティングが与えられます。
 (a) 入会時に他の団体のレイティングをお持ちでない方は、入会者が申告するチェス歴から事務局が仮レイティングを定めます。初級者を自認している方は800、相当程度の対局経験がある方は1600、それ以外の方は1200が目安です。
 (b) 参考となる他の団体のレイティングをお持ちの方は、これを勘案して事務局が仮レイティングを定めます。ただし事務局がそのレイティングを参考にできないと判断したときは前項に従い仮レイティングを定めます。
(改訂2010-04-18)

(2) 1ゲームごとのレイティングの上下は、対局開始時のレイティングに基づき、下の速算表によって計算されます。期首レイティングに、期間中に報告のあった全ゲームの結果を加えたものが、次期レイティングとなります。期間中にレイティングが変わることはありません。

(3) 始めてから12ゲームを終了した時点で、次の式により仮レイティングの修正を行います。この修正は次期レイティングに反映されます。

  Rp = 相手レイティングの平均 + 360 × {(勝-負) / ゲーム数}

(4) 20ゲームを終了した時点で確定レイティングとして認められます。それまでの仮レイティングは、すべて (1320) というように、カッコをつけて表示されます。

(5) レイティングは、報告された棋譜をもとに期間ごとにレイティング委員会によって計算され、機関誌「Newsletter」およびウェブサイト上に発表されます。計算の期間は事務局が定めます。

(6) このレイティングは、レイティングを対象とすることを明示したJCCAのゲームに共通して採用され、棋力評価の基準とされます。

JCCAレイティング速算表
相手との差 上位勝ち
上位+
下位-
下位勝ち
上位-
下位+
 ドロー 
上位-
下位+
上位者 下位者
 0 ~ 11
12 ~ 23
24 ~ 35
36 ~ 47
48 ~ 59
60 ~ 71
72 ~ 83
84 ~ 95
 96 ~ 107
108 ~ 120
121 ~ 133
134 ~ 146
147 ~ 159
160 ~ 173
174 ~ 187
188 ~ 201
202 ~ 216
217 ~ 233
234 ~ 250
251 ~ 268
269 ~ 287
288 ~ 306
307 ~ 328
329 ~ 352
353 ~ 379
380 ~ 409
410 ~ 449
450 ~ 499
500 ~ 559
560 ~ 679
680以上    

 1 ~ 12
13 ~ 24
25 ~ 36
37 ~ 48
49 ~ 60
61 ~ 72
73 ~ 84
85 ~ 96
 97 ~ 108
109 ~ 121
122 ~ 134
135 ~ 147
148 ~ 160
161 ~ 174
175 ~ 188
189 ~ 202
203 ~ 217
218 ~ 234
235 ~ 251
252 ~ 269
270 ~ 288
289 ~ 307
308 ~ 329
330 ~ 353
354 ~ 380
381 ~ 410
411 ~ 450
451 ~ 500
501 ~ 560
561以上    
30
29
28
27
26
25
24
23
22
21
20
19
18
17
16
15
14
13
12
11
10










30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60










10
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レイティングの計算例

(a) A氏 対 B氏、A氏勝ちの場合(ゲーム開始時のレイティングは両者とも1200、終了時のその期のレイティングはA氏1150、B氏1230とします)
  開始時の両者の点差は0なので、表の最上段(1行目)を見ます。
  勝ったA氏は、30点プラス。
  負けたB氏は、30点マイナス。
  もし両者ともこの1ゲームだけが期間中の報告とすると、A氏は 1150 + 30 = 1180 が、B氏は 1230 - 30 = 1200 が次期レイティングになります。
期間中に複数のゲームが報告された場合は、例えば、1150 + 30 - 20 + 16 + 4 = 1180 のようにして次期レイティングを決定します。

(b) C氏 対 D氏(ゲーム開始時C氏1500、D氏1380、終了時の期のレイティングはC氏1516、D氏1355とします)
  C氏勝ちの場合=開始時120点差でC氏が上位者なので、C氏は一番左「上位者」のカラムで10行目(108~120)が参照するべき行。その行の左から3つ目の「上位勝ち」の欄により、21点プラス。D氏は左から2番目「下位者」で11行目(109~121)、「上位勝ち」の欄により20点マイナスです。C氏は 1516 + 21 = 1537、D氏は 1355 - 20 = 1335。
  D氏勝ちの場合=C氏 1516 - 39 = 1477、D氏 1355 + 40 = 1395。
  ドローの場合=C氏 1516 - 9 = 1507、D氏 1355 + 10 = 1365 となります。

・数所かの表記を改めましたが、速算表を含めルールそのものに変更はありません。2009年9月